フラワーギフト

金色(こんじき) 

金色に輝くデハ801が、神々しい。
神が宿った瞬間を見たような、眩しいほどに輝く車体。


「金色(こんじき)」

一瞬の光に包まれる時、昼間には見られない一面を見た。

家宝にしたい801の姿。
その価値は、計り知れないほどの大きなもの。

誰かと分ち合いたい、素敵な夜の801の光。

夜の花 

夜の仲ノ町に咲く、夜のコスモス。
対向車のヘッドライトに801が浮かび上がる。


「夜の花」

コスモスにもヘッドライトの灯りが漏れて来た。
その瞬間。夜の風がコスモスの存在を影の世界へ落とし込んでしまった。

ライトを浴びた801が、その花を持って明るい舞台に立とうとしている。

そして、音楽が鳴りだし、幕が上がる。


夜の光 

801の車体に夜の光が当たる。
夜の光の中では、どんな色も、消え失せる。


「夜の光」

赤が消えた、黒は闇の中。
光が当たり、色が見える。

夜の光に、色は無い。

そこにあるのは、形のみ。
四角い車体に張り付く、窓枠の形。

ドアの形と、ガラスの平面。

光が消えると、すべての形も消え失せる。

85年 

今年は、銚子電鉄開業85周年になる。
その記念エンブレムを付けて、801が快走している。


「85年」

801に付けたエンブレムは、木彫の手作り一品もの。
これは、現役古株の801に捧げている。

鉄子カラーの1002には、シールの85年エンブレム。

走り始めた85年前は、大正12年。
そして、その前の年に生れたデキ3が銚子電鉄にいる。
外川駅も開業当時の駅舎がそのまま使われている。

目に見える85年の歴史。
手に触れる85年前の温もり。

これからも時の流れをつないで、銚子にあり続けて欲しい。

夏の顔 

丸い太陽を、そのまま花に映したひまわり。
夏の訪れを教えてくれるように、黄色い顔で電車を見ている。


「夏の顔」

デハ801の赤い車体に、黄色いひまわりが良く似合う。
夏の間中、電車に顔を向けて、お客さんにあいさつしてる。

「今日も暑いね。
窓を開けて、銚子の風で電車の中をいっぱいにしてね。
銚子の電車は、扇風機と自然の風がエアコン代りだよ。」

まだまだ、太陽の下で夏の顔が咲いている。

「今日も暑いね」

夜の入口 

昼と夜の境目を過ぎて、夜の入口に到着したデハ801。
出迎える駅員も、夜の入口の使者か。


「夜の入口」

灯りの入ったボンボリが、駅の明るさを増している。
デハ801のドアが開いて、家路に着く人が降りて来る。

明るい改札口を抜けると、そこは夜の入口。
夜の道を通って、それぞれの明るい家に帰って行く。

連結 

仲ノ町で見られる風景。
ホームで待機している1001に、801がゆっくりと近づいてくる。


「連結」

いつもは、1両運行の銚子電鉄だから、連結を間近で見られる機会は滅多にない。

10m手前で減速から停止。

じわりと前進、5m、3m、2m、1m。
さらに、50cm、30cm、10cm、ガチャン!

手をつないだ801と1001が、外川に向け出発して行く。

秋桜 

秋の花のイメージがある、「秋桜」。
早咲の秋桜は、夏本番の7月下旬から咲始める。


「秋桜」

デハ801を背景に、仲ノ町駅で咲いている。

毎年、菜の花が終ると、その後に種を蒔いている。
か弱い茎に、細い葉、その先にふわっと咲く花。

花言葉は「乙女のまごころ、愛情、たおやかさ」。

デハ801をいたわる様に咲く、乙女の心。


過ぎゆくあじさい時間 

銚子電鉄沿線のあじさい時間は、そろそろ終りになろうとしている。
過ぎる時間と、散るあじさいの花。


「過ぎゆくあじさい時間」

仲の町の駅に到着する801。
すでに日は沈み、ヘッドライトを輝かせている。

また来年も、801の姿に会えることを楽しみに、
あじさいは眠りにつく。

眠い目を擦りながら、801の姿を心にとどめようと、
目の前を通り過ぎるのを待っている。

犬吠駅の隙間 

ふと気が付いた窓から、801が見えた。
窓と言うより、隙間かも知れない。


「犬吠駅の隙間」

犬吠駅にはホームと広場を分ける壁がある。
広場から電車を見るのは、壁の窓をのぞき込む。

一番端っこの、誰も見てない壁の窓。
窓にしては見えにくいけど、影の向うの光がいい。

窓と言うより、隙間かな。