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昔日 [Continue Art Project in 銚子]  

かつては、海鹿島駅にも駅員が在中していた時代がある。
その時のまま、時間が止まったような駅員室に灯りが灯る。


作者 本山ひろ子  作品名 『アメフラシ』


「昔日」

もう、駅員が在中することもなくなった、窓口。
そこに、金属の鈍い光を反射して、一匹のアメフラシ。

いつの日からここに座っているのか。
いつの日まで、ここに座っているんだろうか。

駅舎の脇に、こんな物語が書かれていた。


「海鹿島(あしかじま)

むかしむかし、おおむかし
ここにはひろいひろい大地が広がっていました。
川も無い、海も無い。あまりにカラカラで、人は天に祈る日々をおくっていました。
それでも水がやってこないので、皆あきらめて、他の場所に行こうかと相談していました。
西のほうで、神様がその噂を聞きつけ、鹿を使いにやりました。
鹿は神様に言われた通り毎日祈り、天に供え、そしてまた祈りつづけました。
毎日毎日祈り、もうくたくたになって、それてもがんばって鹿は祈り続けました。
皆あきらめて、まわりにはもうだれもいません。
ちょっとあきらめて何日か。またがんばって何日か。
鹿はいったいなんのために雨を待っているのか、わからなくなってしまいました。
だって、ずいぶん長い間ひとりぽっち。もう、どれくらいの日が経ったのでしょう。
しまいに鹿は眠ってしまいました。

ざざー。ざざー。
音で鹿は目をさましました。

ざざー。ざざー。
水の音のようです。空を見上げると、そこには青く澄んだ空か広がり、
太陽がさんさんと降り注いでいます。

ざざ−。ざざ−。
水の音は前の方から聞こえてきます。
鹿は音のするほうに走ろうとしました。しかし、なかなか思うように体が動きません。
のそり、のそり。
ようやく水の場所にたどり着くと、そこには大きな大きな水たまりがひろがっています。
大喜びした鹿はそこに入っていきました。
なんてことでしよう。さっきまで動かなかった休が、
まるで鳥になったように軽々と水の中を走り抜けます。

なんだか美味しそうな食べ物もたくさんあります。ちょっと塩辛いけど、まぁまぁいけるみたい。
あまりに待ったせいで、鹿の体はとろとろに溶けてしまっていたのです。
体の模様はそのままですが、形はなんだかずいぶんちがうみたい。
好みもかわってカラカラの鹿せんべいより、ちょっとしっとりしたせんべいの方が口に合うようです。
休の形の変わった鹿は、海鹿と呼ばれるようになりました。

この場所を気に入った海鹿は、西に帰ることをやめ、いまでもこの場所で楽しく暮らしております。


千葉県銚子市」


海鹿島駅、昔日の思い。


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11番目の駅 [Continue Art Project in 銚子] 

外川の先に、もう一つ駅が出現する。
しかし、この駅に停まる電車は来ない。


作者 豊福亮  作品名 『停まらない電車を待つ駅』


「11番目の駅」

小さな駅舎に、待つ人の姿はない。
待合室には小さな椅子。

天井には、シャンデリア。
停まった時計。

風見鶏。

この駅の名前を知っている者は居ない。

この駅で電車を待っていても、永遠に来ることはない。
それでも、いつか停まらない電車が来るような気がする、小さな駅舎。


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対屏風の図 [Continue Art Project in 銚子] 

君ヶ浜の駅に降り立つと、対の屏風が出迎える。
西日を浴びて、その影が駅前を埋め尽くす。


作者 田中健吾  作品名『landscape』


「対屏風の図」

君ヶ浜のホームから屏風絵を見下ろせば、その絵が語りかけてくる。
直線で描かれるものは何だろう。

見る人によって、様々にとらえることの出来る、直線の交わり。

無で見る直線からは、銚子の風景がわき出てくる。
海、空、屏風ヶ浦、船。

君ヶ浜駅のホームが打ち寄せる海の波に見えてくる。
直線に打ち寄せる、半円の波模様。

その模様も、四角い直線のブロックで出来ている。

円と直線、直線が円になり、円は直線に分解する。
分解した直線が、再び集まって、一対の屏風絵になった。


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語り部 [Continue Art Project in 銚子] 

本銚子駅舎いっぱいに、輝く顔。
駅の風景を顔全面に映して存在している。


作者 小坂部尚吾  題名 『mask』 


「語り部」

額の天井。
顎のホーム。
右頬の緑。
左頬の壁。

本銚子駅の全てが、顔に凝縮される。

そこに、暗黒の目、鼻、口が存在している。
黒い目は何を見ているのか。
黒い鼻は、どんな香りを嗅いでいるのか。
黒い口は、どんな物語を語るのか。

本銚子駅の語り部に、耳を傾けたい。


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風の通り道 [Continue Art Project in 銚子] 

犬吠駅に吹く風を感じる。
南の風、風力2。


作者 高宮宙志  作品名 『犬吠駅プロジェクト08』


「風の通り道」

今日は、12月なのに暖かい南の風。
そんな風を、感じられる犬吠の駅。

見えない風が、風車を回す。
回る風車で、犬吠の風が見えてくる。

空の風。
地上の風。

窓を開けた電車の車内にも、
同じ犬吠の風が吹き抜けた。


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幸せ色の旅立ち [Continue Art Project in 銚子] 

旅立つ電車に旗を振る。
幸せ色が応援する。

作者 佐々木たくめい  作品名 『Yellow Plat Home』


「幸せ色の旅立ち」

電車に乗る人の旅立ちを、応援している。
ゆっくりと西海鹿島のホームを離れる801の灯り。

一生懸命、一所懸命。

電車に乗る人が居るから、旗を振る。
幸せ色の旗を振る。

旗降る人は、どこの人。

旗降る人は、銚子の風。
人の目には見えないけれど、
一生懸命、一所懸命、旗を振る。

幸せになれよって風が振る。


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夜の幸せ [Continue Art Project in 銚子] 

街の外灯と、駅舎の灯りに浮かぶ幸せ色。
揺れる黄色に心を合わせて、揺れる手持ちで幸せ気分。

作者 佐々木たくめい  作品名 『Yellow Plat Home』


「夜の幸せ」

夜の黄色は、ちょっとくすんだ黄色。
それでも、気分は良い気分。

一晩中揺れる黄色を見ていても、飽きることなく居られそう。

布が揺れ方、みんな違う。
幸せ気分も人の数だけ、みんな違う。

西海鹿島駅は幸せ色。


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幸せ色の駅 [Continue Art Project in 銚子] 

「Continue Art Project in銚子」開催中。
西海鹿島の駅が黄色になる。

作者 佐々木たくめい  作品名 『Yellow Plat Home』


「幸せ色の駅」

黄色の布で埋め尽くされる。

菜の花の黄色が風に揺れている。
冬の日が、春の日になっている今。

風も暖かく、本当に小春日和の一日。

青い空と菜の花の黄色。

そして、幸せ色の黄色。


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Continue Art Project in銚子 

銚子電鉄がアートになる。コンティニュー・アート・プロジェクト。
12月20日〜28日の9日間、銚子電鉄沿線で何かが起こる。

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「チラシ 表」

12人の作家が、銚子電鉄を舞台に作品を展開する。

渥美雅史
高宮宙志
中村琢磨
伊藤将和
田中健吾
村上真之介
小阪部尚吾
豊福 亮
本山ひろ子
佐々木たくめい
長増恵理子
Marie de Weil

それぞれの個性ある作品を銚電沿線に展開する。

image3.jpg
「チラシ 裏」

鉄道と現代アートのコラボレーション。
いつもの銚子電鉄の風景が、いつもと違う風景になる。

どんな景色になるんだろう。

明日から始まる、Continue Art Project in銚子の風景をフレームに納めて見たい。

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展覧会概要

会期 2008年12月20日(土)〜28日(日)
開催時間 11:00-16:00
会場 銚子電気鉄道構内
入場料 銚子電鉄の切符が入場券となります
主催 Continue Art Project 実行委員

24・25日
外川駅のキャンドルの光アート

■同時開催
犬吠駅2階ホール
「鉄道写真展」

■展示会場スタンプラリー
各展示会場に設置されたスタンプ12個をすべて集めた方、
先着50名にContinue Art Projectオリジナル手ぬぐいをプレゼント

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●朝日新聞WEB紹介記事
http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000812190001




光跡 

仲ノ町駅構内を横切る光の道。
サーチライトのように、行く先を照らす。


「光跡」

二本のレールの上を、二本の光の道が走る。
この道を通って行った人が居る。

光のスピードに乗って、1秒間に地球を7周半。
銚子電鉄の6.4キロなんて、ほんの一瞬の距離でしかない。

それでも、二本のレールの上をきちんと走って行った。

今はどこを走っているんだろう。
アメリカ、アフリカ、南極、それとも南太平洋の海の上。

そう思いめぐらせている内に、ほらまた目の前を通り過ぎて行った。