フラワーギフト

外灯 

木の電柱の先に、裸電球の外灯が灯る。
空にはうっすらと青みが残る時間。


「外灯」

外川駅舎の裏手にある外灯。
ホームへ出入り出来る、裏口に立っている。

元々、傘が無かったのか、それとも潮に朽ち果てたのか。
あまりにも素朴すぎる外川駅の外灯。

こんな外灯一つでも、昔からあっただろう存在感に圧倒されそうになる。


終点の花 

線路の終わりに咲く桃色の花。
終点外川駅。


「終点の花」

銚子駅から6.4キロ。ここで、銚子電鉄の線路は終わる。
そこを飾るように、桃色の花が咲いている。

ここで線路はおしまい。6.4キロ走って来た電車に、この花束を贈ろうか。
そうやって労う時間もなく、また銚子に向けて電車が発車していった。



祭りの色 

銚子電鉄から見える、祭りの色。
それは、年に一度の「浅間様」の色。


「祭りの色」

本銚子駅に着く直前、左手の道が出店の屋台で埋め尽くされている。
赤、黄色、青、緑。

いろんな色が混ざり合って、一日だけの祭り色になっている。

すぐ側の線路の上を、やっぱり祭り色に着飾った人たちがデハ702に乗っている。
本銚子に到着した電車から、祭りの色が一気に降りる。

色と色が折り重なって、年に一度の「浅間様」は盛り上がる。

秋桜の道標 

カーブする線路に沿って秋桜が咲いている。
道標(みちしるべ)のように、秋桜が咲いている。


「秋桜の道標」

電車の進む方向と、安全を確認しながら、秋桜の道標は続いている。
風がそよぐように、秋桜の花も揺れている。

か弱い道標も、お互いを支え合って案内しているよう。
向うは銚子駅。

秋桜に導かれて、仲ノ町駅からゆっくりと電車が出発する。

君ヶ浜駅の趣 あじさい時間 

銚子電鉄の各駅に咲いている、あじさいの花。
花の宴は過ぎてしまったけれど、君ヶ浜駅のあじさいの趣。


「君ヶ浜駅の趣 あじさい時間」

紫色に染まった花びらが、青い車体の1001を出迎える。
ホームに滑り込む上り銚子行は、たくさんのお客さんが乗っていた。

電車からあじさいは、見えないかな。
誰か花に気付いてくれる人は居るかな。

電車の窓を見たら、一人の女の子が、そっと手を振っていた。
来年は、あじさいの咲く頃にこの駅で降りて欲しいな。

光の通り道 

昼間は見えない光の通り道。
白い光と、赤い光。


「光の通り道」

その光が通る時、警報機の赤い目玉が教えてくれる。
しばらく待っていると、目の前を光の帯が横切って行った。

そして、光の停車場で外灯の灯と語り合う。

さあ、発車の時間だ。
光の粒子の汽笛が鳴り響く。

夏の顔 

丸い太陽を、そのまま花に映したひまわり。
夏の訪れを教えてくれるように、黄色い顔で電車を見ている。


「夏の顔」

デハ801の赤い車体に、黄色いひまわりが良く似合う。
夏の間中、電車に顔を向けて、お客さんにあいさつしてる。

「今日も暑いね。
窓を開けて、銚子の風で電車の中をいっぱいにしてね。
銚子の電車は、扇風機と自然の風がエアコン代りだよ。」

まだまだ、太陽の下で夏の顔が咲いている。

「今日も暑いね」

デキさんの独り言 扉 

こんなに小さなデキさんだから、運転席もちょっと狭い。
この扉を開けると、運転席だ。


「デキさんの独り言 扉」

扉の巾は、60センチ位かな。
こんな小さな扉だから、運転士さんが一人乗ったらギュウギュウになってしまう。

お腹の出っ張った運転士さんは、乗れるかな。
日本で一番小さなデキさんだから、お腹を引込めて乗って欲しいな。

そしたら、重くなって貨車をたくさん引張れそう。

でも、今は貨車が居なくなってしまったんだ。


夏の夕暮 

ボンボリに灯が点いて、夏の夕暮がはじまる。
空は、オレンジから紺色のグラデーション。


「夏の夕暮」

笠上黒生駅の待合室にも、灯が入ると、夕暮の舞台が出来上る。
各駅のボンボリは、夏だけの特別演出。

ここで、電車を待つのは至極の時を過すことが出来そう。
昼の蒸暑さも消えて、夕涼みにも丁度良い。

もう少し、夕暮の舞台を見て、
空の赤が消えたら家に帰ろうか。

濃紺の空 

漆黒の空へ移る瞬間。
空は濃紺になる。


「濃紺の空」

その空の下に、いつもの外川駅がある。
いつもの時間に、電車が到着して、
いつもの時間に、電車から降りる人がいる。

いつもの時間に、電車は発車して、
いつもの人は家路に着く。